【ポイント】
- 仕事に向かう時の意識のもち方に注意する
- 自分自身の発言がネガティブになっていないか注意する
年度末は、先生方にとって多忙な時期の一つです。指導要録の作成、引き継ぎ資料の作成、教室の片付けなど、業務が山積みになり、心身ともに疲弊してしまうことも多いのではないでしょうか。
「やらなければいけないことが多すぎて、何から手をつければいいかわからない…」
「仕事に追われて、自分の時間を全く確保できない…」
そんな状態が続くと、モチベーションが低下し、作業効率も悪くなってしまいます。
そこで今回は、多忙感を乗り越え、モチベーションを維持するための2つの心構えをご紹介します。
多忙感がモチベーションを下げるメカニズム
そもそも、なぜ多忙感を感じるとモチベーションが下がってしまうのでしょうか?
ハーバード大学の研究によると、人間は自分でコントロールできることがあると幸福感を感じ、健康的な生活を送ることができると言われています。しかし、多忙な状態では、自分で仕事をコントロールしている感覚がなくなり、無力感やストレスを感じやすくなります。
また、心理学の分野では、以下の2つの理論が提唱されています。
- 自己決定理論: 仕事の自律性、有能感、関係性の欲求が満たされないと、内発的動機づけが低下する
- バーンアウト理論: 慢性的な多忙は、情緒的枯渇、脱人格化、個人的達成感の低下を引き起こし、仕事への意欲を著しく低下させる
これらの理論からもわかるように、多忙感は私たちの心理状態に悪影響を及ぼし、モチベーションを低下させてしまうのです。
モチベーションを維持する2つの秘訣
では、具体的にどのようにすれば多忙感を乗り越え、モチベーションを維持できるのでしょうか?
1. 意識のもち方
- 他人と比較しない
「あの先生は、仕事がもう終わってる。」、「どうして私は、仕事が遅いんだろう。」などを考えると、思考がネガティブな方に向けられます。
作業の質は違うので、作業スピードは違って当然です。「自分は自分」というマインドを持つようにしましょう。
- 目的や価値にフォーカスする
そもそも、その仕事の目的は何でしょうか?
通知表の所見や生徒の情報の引き継ぎなど、直接生徒に関係のあることは力を入れる必要があります。
しかし、事務的に済ませることができるものは、過去のデータを参考にして、素早く終わらせましょう。
その仕事自体にどんな価値があるのかを考えて、力の入れ方を変えるだけでも、心の持ちようは変わります。
- 「今」ではなく、やり遂げた「後」に意識を向ける
これからやるべき仕事にばかり意識を向けると、仕事の積み残しが多い分だけ、精神的な負担が大きくなります。仕事が終わる見通しが持てないと、それだけでモチベーションの低下につながります。
「今」ではなく、仕事をやり遂げた「後」の達成感や自己成長に意識を向けるようにしましょう。
2. 言葉の使い方
- ネガティブな言葉を使わない
自分が発する言葉を最も聞いているのは、自分自身です。ネガティブな発言を耳にすると、自分の思考までネガティブになってしまいます。
作業を始める前に、「よし、頑張ろう!」などポジティブな言葉を発するだけでも、思考が前向きになります。忙しい時こそ、自分の発言に注意するようにしましょう。
まとめ
年度末は多忙で大変な時期ですが、意識や言葉の使い方に気を配ることで、モチベーションを維持し、充実した日々を送ることができます。
ぜひ今回の記事を参考に、多忙感を乗り越え、新年度を気持ちよくスタートさせましょう!
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