【モチベーションに変化!?】ティーチングからコーチングへ

- 教えこみではなく、「問い」を大切にする
- 課題を考えるのは、選手
- 指導者は、選手の補助的役割
中学生の部活動指導をしていて感じるのが、選手(生徒)のモチベーションに波です。
中学生という年齢的にも、常に高いモチベーションを維持できないのは仕方がないことかもしれませんが、『これは選手だけの問題だろうか?…いや、指導する側に問題があるのでは…。』と感じ、コーチングを学びました。
今回は、部活動で実践したことについて紹介します。
ティーチングからの脱却
これまで、特に技術指導に関しては、指導者側から一方的な指導がメインになっていました。 つまりティーチング主導型の指導になっていたのです。
ティーチング(Teaching)
知識や技術を教えることに重点を置いた指導方法。
具体的には、以下のような特徴があります。
- 知識の伝達: 指導者が選手に対して特定の技術や戦術を教える。
- 指示的なアプローチ: 指導者が主導権を持ち、選手はその指示に従う形で学ぶ。
- 評価とフィードバック: 選手のパフォーマンスを評価し、改善点を指摘する。
コーチング(Coaching)
選手自身の成長を促すことに焦点を当てた指導方法。
以下のような特徴があります。
- 自己発見の促進: 選手が自ら考え、問題を解決する力を育てる。
- 対話的なアプローチ: コーチと選手の間でのコミュニケーションが重視され、選手の意見や感情を尊重する。
- 目標設定とサポート: 選手が自分の目標を設定し、それに向かって進むためのサポートを行う。
コーチングを主にすることのメリット
- 選手の自主性の向上
コーチングは選手が自ら考え、行動する力を育てます。これにより、選手は自立したアスリートとして成長し、試合や練習においても自分の判断で行動できるようになるのです。 - モチベーションの向上
コーチングでは、選手が自ら課題を見つけ、その解決に努めます。自己決定の場を設けるため、モチベーションの向上につながります。
コーチングを主にすることのデメリット
- 質を高める生徒(選手)がいるかどうかが、重要になる
選手が主体となるので、チームに核となる存在がいるかどうかで、課題設定やその解決策に質の差が出ます。 - 時間がかかる
選手主体で課題、そして解決策を考え、実行に移すため時間がかかります。 - 問いが重要になる
指導者側の問いの内容と、タイミングがとても重要になります。
部活動で行った最初の取り組みの一例
私が受け持つ部活動は、個人競技のため、個人の課題とチームの課題に分けて考える時間を設けました。
1.個人の課題について
まず、レベルアップシートを作成し、現在の課題、そして課題解決に向けての毎月の行動目標を立てます。
行動目標は、○か×で評価できるものとし、毎日練習後に○、×を記入させて、成長の度合いを可視化しました。
2.チームの課題について
ミーティングを実施して、KJ法で課題を可視化しました。
個人個人が考える課題を付箋に記入し、広用紙に貼り付け、グルーピングし、発表させました。
この取り組みを実施した当初は以下のような課題が出た。
①練習に対する目的意識
②部員間の声掛け
③自分で考える時間の不足
④指示待ち状態
⑤チーム目標の共通理解
5つの課題を一気に解決することは難しいので、週に1つずつ改善させるためのチームの行動目標を立て、実施しました。
3.練習の中に、自ら練習方法を選択する時間の設定
課題を考えさせるとき、全てを選手任せにするのではなく、指導者側が考える視点を具体的に与えることが重要。ここが、効果的な課題設定ができるかの鍵となります。
まとめ
私自身の反省ですが、指導者は、自己の経験をもとに指導をしているケースが多くなります。その結果、指導の大部分はティーチング(教え込み)になってしまします。
時間はかかりますが、コーチングの指導がうまく回り始めると、個人個人、そしてチームの成長は飛躍的なものになるのではないかと感じています。
「自分の壁を越えていくために、自ら課題を見つけ、その課題の達成に取り組む」ことが、部活動の目的と考えています。それを具現化するためには、コーチングは必要不可欠なものと感じます。